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中国利上げ インフレ抑制成るか

2011年02月16日

【新唐人日本2011年2月17日付ニュース】中国の中央銀行は8日、1年物の預金と貸し出しを0.25%利上げすると発表。これは去年10月以来、3回目の利上げですが専門家は、これでインフレを抑制するのは難しいと分析します。

 
中国人民銀行は2月8日、翌日から預金準備率と1年物の預金と貸し出しの利上げをそれぞれ0.25%上げると発表。これは金融危機以来、初めての利上げです。
 
この利上げに対し、イギリスの“フィナンシャルタイムズ”は、物価の上昇を抑えるための措置だと分析。それでも1月の消費者物価指数は、最低でも5.5%以上には達すると厳しい見方をしています。
 
また天候不順などの影響で、世界の食品価格は7ヶ月連続で上昇。一方、中国の住宅価格も上昇が止まりません。それでも、中国当局は通貨の過剰供給を続け、1月だけでも1兆元強(約13兆円)を供給しました。
 
これらの要素は、物価の上昇と資産バブルを招くとフィナンシャルタイムズは予測。
 
この利上げでインフレを抑えるのは難しいと専門家は口をそろえます。中国の有名な経済専門家は、今回の利上げ措置は、遅い上、幅が小さく、利子がインフレ率より低いので、資産バブルの恐れが消えないと述べました。
 
経済専門家 茅於軾さん:「こんな利上げでは解決できません。逆にインフレを促します、利息がインフレ率より低いから」
 
アメリカの格付け会社、ムーディーズの経済専門家はボイス・オブ・アメリカに対し、中国当局はずっと利上げをしているものの、インフレの抑制につながっていないと指摘。
 
統計によると、中国は去年10月以来3度の利上げを行っているものの、去年12月の消費者物価指数は前年同期よりも4.6%も上がりました。
 
サンライズ・キャピタルズの中国経済専門家、アンディ・ロスマン氏も、利上げのインフレ抑制効果に疑問を投げかけます。
 
国連食料農業機関は8日、中国の小麦の作付面積のうち、3分の1近くが干ばつの恐れがある指摘。この影響で、1月の小麦粉の価格は2ヶ月前よりも8%上昇。
 
利上げの動きが遅い点について、専門家は、国有企業の利益を守るためだと分析。
 
経済専門家 茅於軾さん:「借り手の利益を守り、貸し手の利益を害します。借り手は主に国有企業です、国有企業へひいきしています」
 
中国当局は今年の4月~6月までに、再度利上げするだろうと別の専門家は予測しました。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
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